バケモノスタッフブログ

映画「The Interview」をめぐるソニー・ピクチャーズのスキャンダル

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photo by (stephan) on Flickr

あけましておめでとうございます、エリックです。
今日は、2014年12月アメリカで話題になった、ソニー・ピクチャーズのスキャンダルを紹介します。

ソニー・ピクチャーズのスキャンダル

2014年11月24日、ソニー・ピクチャーズは「Guardians of Peace」(平和の用心棒)を名乗る過激派ハッカー集団の攻撃をうけ、全システムがダウンする事態に陥りました。その上、未公開映画情報、大量の個人情報、機密文書、同社の共同会長をつとめるエイミー・パスカル氏のメール内容などが流出しました。

アメリカのニュースメディアはすぐに流出した情報を掲載しました。
特にメールの内容は皆を驚かせました。俳優についての噂話、人種差別感のあるジョークを同僚に送信していたことが明らかになりました。
この事件では、ソニー・ピクチャーズのお粗末さが目立ちます。

なぜソニー・ピクチャーズがハッキングされたか

「Guardians of Peace」は北朝鮮政府と繋がっていると宣言しています。北朝鮮の政府は関係を否定していますが、FBIはソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃の背後に北朝鮮の存在があると断定しています。

ハッカー集団がソニー・ピクチャーズを襲撃した理由は何か?
原因は、ソニー・ピクチャーズの最新映画「The Interview」のストーリーにあります。


映画「The Interview」予告編:
https://www.youtube.com/watch?v=frsvWVEHowg

シニカルなコメディー映画「The Interview」の中で、主人公達は北朝鮮に行き、ジャーナリストとしてインタビューをするふりをして、北朝鮮の金正恩第1書記を暗殺します。

過激派ハッカー集団は映画の公開を妨げるためにソニー・ピクチャーズをハッキングしました。さらに、作品を上映予定の映画館にテロ行為を示唆する脅迫を行っています。テロの脅しは口先だけだと予想されていますが、ソニー・ピクチャーズは映画館での公開を中止することを決定しました。(2014/12/18現在)

これを受けて2014年12月19日、アメリカのオバマ大統領は、「米国は、どこかの独裁者に検閲を科されるような社会であってはならない」とし、「相応の対応を行う。場所、時間、方法などはわれわれが決定する」と発表しました。

結局、映画館の数は減りましたが、映画は上映されることになりそうです。

アーティストやクリエイターの表現は自由?

アーティストやクリエイターは自由に伝えたいことを伝える権利があります。
金正恩は、多くのアメリカ人から好かれていないので、映画公開に反対するアメリカ人は少ないでしょう。しかし、仮に他の政治家だったらどうでしょうか。オバマ大統領だったら?安倍首相だったら?その国の政府が怒るのは当然のことです。

北朝鮮政府が怒る気持ちは十分わかりますが、見る人の受取り方にかかわらず、やはり作り手には自由に作る権利があるはずです。
この監督の映画のスタイルは、シニカルで風刺的なコメディーです。暗殺の描写があってもなくても、映画の内容は馬鹿馬鹿しくて、現実とは別のものと捉えることができるはずです。
ハッキングやテロのような暴力的な方法で、表現の自由を奪うことを、許すことはできません。

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