2014年11月12日
知的財産知識

正しいCopyright(コピーライト)の書き方

20141112_large

こんにちは。バケモノのヨシダです。
WEBサイトの下の方や資料の端などに、よくこのような文字が記載されていますよね。

バケモノ株式会社の制作物にもCopyright（コピーライト）を記載することが多々あります。
でも注意して見てみると、コピーライトの表示方法はまちまちです。年号がなかったり、記載されている内容が異なっていたり。
一体どの書き方が正解なんだろう？と疑問に思ったので、正しいコピーライト表示の書き方を調べてみました。

コピーライトの正しい書き方

コピーライト表示に必要な要件は、下記３点です。

・©マーク
・最初の発行の年
・著作権者の名前

つまり、

©　2014　Bakemono Inc.

これが正しい書き方です。
順番は入替っても構いません。

コピーライトの表示要件は、万国著作権条約第3条に「©の記号、著作権者の名及び最初の発行の年は、著作権の保護が要求されていることが明らかになるような適当な方法でかつ適当な場所に掲げなければならない」と定められています。

コピーライト表示の必要性

日本国内において、著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生します。©マーク等の表示がないから著作権が認められない、ということはありません。
これは、「ベルヌ条約」に定められていて、「ベルヌ条約」は日本を含む多くの主要国が加盟しています。

しかし、「誰かに頼まれて作ったもの」「みんなで一緒に作ったもの」など、著作権が誰に帰属するのか曖昧な場合や、WEB上で誰でも利用できる状態のものは、著作権者の意志に反して勝手に使用・加工されるなど、権利を侵害される危険性があります。
著作権者を明記し、著作権に関するトラブルを防ぐために、コピーライト表示が使われています。

また、世界には「ベルヌ条約」に加盟していない国も存在しています。
「万国著作権条約」の加盟国では、著作物に©マーク等を表示しなければ著作権を認めないとされています。

さらに、アメリカ著作権法には「善意の侵害者(innocent infringers)」という言葉が出てきます。
どういうことかと言うと、アメリカは「ベルヌ条約」加盟国なので、コピーライト表示が無くても著作権は認められます。しかし、コピーライト表示が無いせいで、知らずに著作権を侵害してしまった場合でも、無過失を立証できれば法的責任を問われません。

つまり「著作物にはコピーライト表示をしておいた方が無難」ということです。

他の書き方は間違い？

では、冒頭に紹介したような

という書き方は間違いなのでしょうか？

まず、「Copyright」と©は同じ意味です。「万国著作権条約」で、©マークは必須と定められているので、基本的に「Copyright」は必要ありません。ただし、©は環境依存文字なので念のため「Copyright」も併せて表記していると思われます。©の代わりに（C）と表記している場合がありますが、これも同じ理由です。

「All rights reserved」については、wikipediaに詳しい説明が掲載されています。
ざっくり説明すると、アメリカは「ベルヌ条約」に加盟する前、「万国著作権条約」と「ブエノスアイレス条約」に加盟していたので、©マーク以下に「All rights reserved」も表記していました。現在は「All rights reserved」を表記する必要がありませんが、昔の名残で表記されています。
Copyright © 2014 Bakemono Inc. All rights reservedという書き方は、アメリカの慣習をそのまま残した書き方と言えます。