バケモノスタッフブログ

ヨシダ
2015年04月02日
知的財産 知識

よく解る!クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは? 〜ネット時代の著作権ルール〜

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こんにちは。バケモノの自称・知財担当ヨシダです。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスって、ご存知ですか?

近年、インターネットにアップロードされている音楽、画像、映像、文章などの著作権侵害が問題視されていますが、正直、著作権のルールってわかりにくいですよね。

そこで注目されているのが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスです。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示ルールを理解すると、著作者の権利を守りながら、作品を使用することができます。

今回は、インターネット時代の新しい著作権表示ルール、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて、わかりやすくご説明します。

もくじ

1.クリエイティブ・コモンズとは?
2.クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?
3.クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの考え方
4.ライセンスの種類
5.まとめ

1.クリエイティブ・コモンズとは?

クリエイティブ・コモンズは、簡単に言うと、著作権表示ルールをわかりやすく・使いやすくしようと活動している国際的非営利組織の名前です。
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを提供しています。

2.クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、インターネット時代のための新しい著作権ルールの普及を目指し、作品の作者自身が「この条件を守れば、私の作品を使っていいですよ」という意思表示をするためのツールです。
著作者の権利を守りつつ、作品を使用したい人が使いやすいように作られています。

3. クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの考え方

人の手によって生み出されたすべての作品は、著作権で守られているものと、そうでないもの(パブリックドメイン)の2種類に分かれます。

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出典:http://creativecommons.jp

上の図の左側のCマークは、著作権がある状態を表しています。英語で言うと、”all rights reserved”(すべての著作権は、著作権者に帰属します)の状態です。
”all rights reserved”の作品は、著作権者の許諾なしに複製・転載することはできません。

右側のPDマークは、パブリックドメインと言われる状態を表しています。著作権の保護期間が終了しているか、権利が放棄されている状態です。
パブリックドメインは、誰でも自由に利用することができます。

でも実際のところ、インターネット上に掲載されている著作物を使用したいとき、著作権者を調べて複製・転載の許諾をとるのはかなり面倒です。
そこでクリエイティブ・コモンズは、CとPDの間の選択肢として、“some rights reserved”という概念を提案しました。

“some rights reserved”は、「いくつかの条件を守ってくれるなら作品を自由に使っていいですよ」、という条件付きの許諾です。
では、どんな条件を守ればいいのかは、次の「ライセンスの種類」で説明します。

4.ライセンスの種類

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、6種類あります。

1.表示 (CC BY)

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出典:http://creativecommons.jp
「原作者のクレジット(氏名・作品名など)を表示すれば、作品を自由に使っていいですよ」、という意味のライセンスです。改変OK、営利目的の利用OKです。
6種類のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの中で最も自由度が高いライセンスです。

2.表示-継承 (CC BY-SA)

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出典:http://creativecommons.jp
「原作者のクレジット(氏名・作品名など)を表示し、改変した場合には元の作品と同じライセンス(このライセンス)で公開するなら、作品を使っていいですよ」と言う意味のライセンスです。営利目的の利用OKです。

3.表示-改変禁止 (CC BY-ND)

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出典:http://creativecommons.jp
「原作者のクレジット(氏名、作品名など)を表示し、かつ元の作品を改変しなければ、作品を使っていいですよ」という意味のライセンスです。営利目的での利用OKです。

4.表示-非営利 (CC BY-NC)

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出典:http://creativecommons.jp
「原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示し、かつ非営利目的であること」を条件に、作品を使用することができます。
このライセンスは営利目的の使用ができません。
でも、そもそも「営利目的」って何を指すの?という疑問が残ると思います。これについては、次回「クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの問題点」で書きます。

5.表示-非営利-継承 (CC BY-NC-SA)

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出典:http://creativecommons.jp
「原作者のクレジット(氏名、作品名など)を表示し、かつ非営利目的に限り、また改変を行った際には元の作品と同じライセンスで公開すること」を条件に、作品を使用することができます。

6.表示-非営利-改変禁止 (CC BY-NC-ND)

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出典:http://creativecommons.jp
「原作者のクレジット(氏名、作品名など)を表示し、かつ非営利目的であり、そして元の作品を改変しないこと」を条件に、作品を使用できるライセンスです。

まとめ

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを採用している場合、作品の近くやサイトの最下部など目についやすい場所に、上記6種類のどれかが貼られています。
突然「CC BY」とか「CC BY-ND」とか書いてあるのを見ても意味が解りませんが、「これはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスだ。ルールを守れば自由に使えるぞ」と言う予備知識があればとても便利です。

ここまで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの利点を中心に書いてきましたが、もちろん問題点もあります。
次回はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの問題点をまとめてみたいと思います。

次回は2015年4月9日更新です。

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