バケモノスタッフブログ

ヨシダ
2015年01月08日
アート カルチャー 知識

【大人の趣味】盆栽の魅力 入門

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こんにちは。バケモノのヨシダです。
ある日、図書館をぶらぶらしていたら、盆栽の本があったのでなんとなく手に取ってみました。するとその本にはめくるめく盆栽ワールドの第一歩が書かれていて、とても興味深かったので、自分でもいろいろ調べてしまいました。今日はザックリ「盆栽とはなんぞや?」を紹介したいと思います。
盆栽といえば、「磯野波平さんの趣味」「おじいさんがやるもの」というイメージがありますが、実はおしゃれで奥深く、ながーい間続けられる趣味。日本の芸術として海外でも人気があります。

盆栽って何?

盆栽とは、主に植物を鉢などに植え、風景を表現する芸術の一つです。
一番イメージしやすいのは、松や梅など木の盆栽ですが、苔や草で表現することもあります。

盆栽の種類

1.木の盆栽

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松やスギなどの針葉樹を使った盆栽を「松柏(しょうはく)盆栽」と言います。丈夫で育てやすいのが特長です。

 雑木林にあるような木を使った盆栽を「雑木盆栽」と言います。もみじ、ケヤキなどの紅葉する木を植えて、四季折々の姿を楽しみます。

2.花もの盆栽

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photo by Andreas D. on Flickr

梅、ぼけ、椿など、花の美しさを楽しむのが「花もの盆栽」です。花の季節になったら花の香りも楽しむことができます。

3.実もの盆栽

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姫リンゴ、茱萸、ざくろなど、実をつける木を使った盆栽です。
花が咲き、実をつけ、葉が紅葉し、冬は葉を落とした姿を楽しむことができます。

4.草もの盆栽

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photo by Norio NAKAYAMA on Flickr 

スミレ、吾亦紅、イチゴなど草花を使った盆栽です。草を組合わせて植えたり、背の高い草を木に見立てたり、楽しみ方は尽きません。

5.苔玉

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photo by Gergely Hideg on Flickr 

苔で植物の根を丸く巻いたものです。自分で簡単に作ることができ、育てやすく、手軽な盆栽です。

盆栽の樹形

1.直幹

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photo by Cliff on Flickr

幹が真っ直ぐ上に伸びていて、根が八の字に広がっている形です。神社にあるような大樹の荘厳さを感じます。

2.根上がり

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photo by bDom – artiste – www.bdom.info on Flickr

わざと根を見せるのが「根上がり」です。
自然の中で、枯れて倒れた木の上に種が落ち、新しい芽が生え成長するうちに元の枯れ木が朽ち果て土になり、根がむき出しになる状態になります。また、海の波にさらわれたり、山の斜面が崩れて根がむき出しになることがあります。根を見せることで、自然の力強さが感じられます。

3.石付き

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photo by bDom – artiste – www.bdom.info on Flickr

石と植物がくっついてるのが「石付き」です。
山登りの時に、岩の間から成長した木々を見たことがあるのではないでしょうか。「こんな岩の間からよく出てきたなあ!」と感心しますが、自然ってほんとすごいなあ、というのをミニチュアで表現するのが盆栽です。

4.文人木

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photo by Sage Ross on Flickr

下の方の枝を剪定し、ひょろっと細長い枝が上に伸びているのが「文人木」。江戸時代の文人が好んだ形だそうです。線が細くて上品な感じがします。

5.懸崖(けんがい)

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photo by Drew Avery on Flickr

断崖絶壁に生える姿を形作ったものです。自然の中で生えている植物って本当にどうなってそうなっちゃったの?という姿のものがありますよね。懸崖の姿をつくるには、木が成長するときに幹に針金を巻いて形を作っていきます。

6.箒作り

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photo by Antonio Tajuelo on Flickr

箒のように枝を伸ばした形。こんな形の木がある公園を想像したら、自然に人や鳥が集まって賑やかな様子が思い浮かびました。
盆栽には、「見立て」が重要なキーワードとなります。「見立て」とは盆栽の鉢だけでは表現できないはずの、季節、場所、時間帯、音、など様々なものを連想させたり、風、水の流れを表現したりすることです。懸崖のような形の木が生えている場所と、箒作りの木が生えている場所はそれぞれ違った環境だろうと想像できます。

ここに紹介した以外にも様々な樹形があり、いろんな枝ぶりや、木々の組み合わせ、木と物の組み合わせで自由に風景を表現することができます。

小道具を使った盆栽

盆栽に小道具を付け加えて、風景を演出することがあります。盆栽に使う小道具のことを添配(てんぱい)と言います。
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photo by Phillip Thornton on Flickr

カニの添配を使うことで、砂浜と、潮風を受ける木の様子がありありと伝わってきます。水がなくても海を表現できるんですね。

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photo by Sage Ross on Flickr

こちらは鹿です。鹿がいることで、原生林の木々と動物たちの営みがぐっと強調されます。山のぴりっとした空気感みたいなものまで想起してしまいます。

添配は、動物に限りません。ミニチュアのベンチや自転車、橋、家など、表現したい風景を演出するものであればなんでもOKです。和風にこだわる必要もありません。

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photo by Norio NAKAYAMA on Flickr

掛け軸と盆栽を組合わせることもあります。遠景の山と、近景の松の対比がキレイですね。まるで松だけ絵の世界から飛び出してきたかのようです。

手軽でかわいいミニ盆栽

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photo by yoppy on Flickr

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photo by Norio NAKAYAMA on Flickr

手軽に楽しめるミニ盆栽は人気が高いです。
ユニークな形の鉢、かわいいモチーフの盆栽がたくさん出回っていて、植物の種類も多種多様です。
例えば、部屋が洋室でも、モダンなミニ盆栽であればさりげなく取り入れることができます。大きな庭がなくても、ミニ盆栽の鉢をひとつ置くだけで、四季の移りかわりを楽しめます。

世界的に有名な日本の盆栽アーティスト

相羽高徳さんという盆栽アーティストの方の作品が、本当にすごいです。
盆栽というからには本物の植物が生えているのだと思いますが、それを疑いたくなるくらい複雑で素晴らしい造形です。

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相羽高徳さんオフィシャルサイト
http://tokyogoodideagallery.com/

まとめ

奥深い盆栽の世界。地味でおじいさん向けの趣味かと思いきや、かなり壮大なものからモダンで手軽なものまでそろっていて、誰にでも楽しめるものでした。
盆栽について調べていると、「盆栽」で検索するよりも「bonsai」で検索したほうがたくさんヒットすることに気づきました。bonsaiは海外で人気が高いようです。
盆栽はきちんと育てれば、木の樹齢にもよりますが100年以上も育て続けることができます。お金をたくさんかけなくても、初心者でも簡単に育てることができ、ほぼ一生楽しめます。
さいたま市に、大宮盆栽美術館というのがあり、素晴らしい盆栽がたくさん展示されています。埼玉にいく機会があれば、鉄道博物館盆栽美術館を満喫、というプランもいいかもしれません。

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