バケモノスタッフブログ

エリック
2015年03月13日
カルチャー 旅行 海外 知識

アメリカでは進化論を学ばない!?日米の学校教育の違い6つ

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education-largephoto by William Creswell on Flickr

こんにちは。エリックです。
今回は、アメリカと日本の学校教育の違いについてです。

学校教育は文化によって、方法が異なります。
私はずっとアメリカの公立学校に通いましたが、日本の公立小と中学校で働いたことがあり、アメリカと日本の違いに気づきました。アメリカの教育水準ランキングは結構低いと報告されています。逆に日本の教育水準ランキングが高いそうです。

私はランキングの話より、雰囲気と価値観の違いについて話したいと思います。

1.アメリカの保守的な地域では、理科の授業で進化論を学ばない

20150313_1photo by Don Grahamon Flickr

進化論について、アメリカは宗教に影響を受けています。
アメリカは広くて、リベラルと保守的な地域があります。その地域の教育委員会は教育課程を選択します。もちろん、中央政府と州には教育施策がありますが、各地域の教育委員会の決定力で教育の内容が結構異なっています。特に理科の内容が異なります。
聖書を重視する地域(アメリカの内陸の方:カンザス州、オクラホマ州など)で進化論の教育が特に弱いそうです。私はカリフォルニア州で育ちましたが、私の母校の生物学の先生はキリスト教の保守的な派(福音主義キリスト教)だそうで、進化論を信じないと述べていました。
たまに、保守的な地域の教育委員会が進化論や性教育を否定することが、全国ニュースになります。

2.アメリカの学校では、Pledge of Allegiance「忠誠の誓い」を唱える

20150313_2

アメリカの教育は愛国心に影響を受けています。
私は小1から高4(アメリカは高校4年なんです)まで毎朝Pledge of Allegianceという言葉を唱えました。Pledge of Allegianceは国に対する「忠誠の誓い」というものなんですが、幼い頃から言わされていますので、意味を把握せずに自動的に言うものなんです。昔からずっとあったと信じられていますが、実は1942年に実施されました。やっぱり第二次世界大戦の愛国心がたっぷりあった時代の名残ですね。学校時代の一番嫌な記憶はこれです!

ちなみに、Pledge of Allegiance(忠誠の誓い)の内容は、こんな感じです。

I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.
(私はアメリカ合衆国国旗と、それが象徴する、万民のための自由と正義を備えた、神の下の分割すべからざる一国家である共和国に、忠誠を誓います)

3.アメリカでは、とんでもなく学校が荒れている地域がある

アメリカは広くて、地域によって教育環境に差があります。
地域によって、雰囲気も質もまったく違います。シカゴの貧しい地域の公立学校の場合、ギャングの問題があって、高校の中でも殺人事件があるそうです。

4.日本の学校は、式が多い

運動会から卒業式まで、形式ばった式が多いです。そして、その式をうまく行うために準備に何時間もかかります。式が多いということは、どういう結論に達するんでしょうか。式の流れ方は昔からずっと一定します。皆が一斉に同じ行動をする。この行動を通して日本人は「私は日本人です」と意識するのかもしれません。こういう式も、ものづくりと同じように国づくりと言えるのでしょう。

5.日本の授業は、ディスカッションが少ない

20150313_3
photo by JohnRH4 on Flickr

文学、社会学、哲学などは、決まった答えがある教科ではありません。歴史の中に、完全な悪者と善人はいないでしょう。人が作った世界は曖昧な道徳で創造されています。その世界の教科に対して、個性的な意見がないと、勉強にならないと思います。
アメリカの高校や大学では、セミナー形式で授業をする教室が多いです。先生と生徒はサークルを作って、様々な話題の議論をします。成績は授業の参加によって計算されていますので、皆は考えていることを述べないといい成績をとれません。人文科学の学部はだいたいこういうふうに指導されています。日本にもこういうスタイルがあったほうがいいと思いますが、児童、生徒、先生もこの雰囲気に慣れていないので、実施するのは非常に難しいと思います。

6.日本の社会が堅いので、教育も堅い

試験が無いと日本の教育は存在しないと思います。試験の点数がよくないと、いい大学に行かないと、いい仕事に就けません。いい仕事に就くために教育があると無意識のうちに信じていて、行動している人が多いと思います。
そのシステムにはまり過ぎたら、情熱のない人間になる可能性が高いと思います。

意見タイム!

教育は学校だけから吸収するものではありません。
教育というものは「勉強」と関連があるのは当然ですが、人間が健康的に成長するためには、真面目な勉強だけは充分ではありません。
自分の好奇心を探検する余裕がない子供は空っぽの大人になると思います。自分の周りに接触することで、自分はどういう人かわかるようになります。様々な人に会って、様々な文化と民族を知って、自分の個性を発見することができます。これは教育の中で不足しているところなんですが、凄く大事だと思います。

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