バケモノスタッフブログ

映像の最前線はテレビドラマ? アメリカ映画はなぜ衰退したのか

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photo by LG전자 on Flickr

こんにちは。米国人ライターのエリックです。
今回は、アメリカの映画とテレビドラマの盛衰についてです。

映画はたった2時間で消費されるアート作品?

100年以上続く映像史の中で、映画はテレビよりもまじめに評論されてきました。
例えば、黒沢明、Hitchcock、Orwellの監督作品は不朽の名作に数えられます。

映画は大好きですが、ストーリーの長さが限定されています。約2時間で一つの物語を伝えなければなりません。2時間は短いです。
もちろん、セリフが足りない場合、細かいところを撮影ツールで表現できます。表情や目線、背景の色、音楽、カメラの動き方などでストーリーを伝えることができます。

しかし、すごくいい作品を作っても、2時間で見ている人の感情にアピールすることは簡単ではないでしょう。2時間後、映画の印象が強く残っていることはあまりありません。

アートがそんな早く消費されるのはちょっと残念ではありませんか?

実験的な映画の減少

21世紀に入り、映画界の流れは変わってきました。
違法ダウンロード、テレビの画質向上、ネット配信などの影響で映画館に行く人は減りました。

映画会社や投資家などは、リスクを恐れているようです。ハリウッド映画の最新作を見ると、絶対に利益が出る映画しか公開されていません(Spider-man 2/Batman 3/Transformers 4など)。
昔のHitchcock監督のような作品は減っています。

映画業界がリスクを恐れて実験的な挑戦をしなくなっている間に、アメリカのテレビドラマの質は何倍も良くなりました。
映画業界が不調に陥った理由と同じで、ネットや家庭テレビの画質が良くなったことで、映画より映画っぽいテレビドラマが作られました。TSUTAYAに行けばすぐわかるでしょう。

映像の最前線はテレビドラマ?

実は、アメリカのテレビ産業は日本より少し進んでいる気がします。
アメリカはここ5年間で、普通のケーブルテレビではなく、ネット接続テレビが通常になりました。テクノロジーがまったくわからない私の両親でも持っています。一ヶ月2、3千円ぐらいかかる有料サービスがあって、テレビ番組、映画、ドキュメンタリーなどを見放題です。そうなると、その有料サービスはコンテンツを作るためにもう少しコストをかけることができます。

しかも、撮影技術の値段も安くなって、質が良くなりつつ、シリーズの話題やテーマがもっと特有的になっています。小説よりも深いテーマの番組が出てきているぐらいです。

日本の場合、アニメや漫画のジャンルが多くて、すごく細かいテーマがあります。例えば、テニスの美少年漫画とか、私には共感しがたいテーマもあります。アメリカのテレビドラマもだんだん細かくなる気がします。

しかも、2時間で終わりすぐ忘れるものではありません。逆に、何ヶ月、何年間もかけてストーリーが進み、注目が引っ張られて、役が身近でリアルな存在になってしまいます。
最近アメリカで超流行っている番組「Game of Thrones」をご存知ですか?
毎週1話ごとに爆発的にメディアに取り上げられ、見ている人は情熱的に感心したり、泣いたりすることもありますよ。

20世紀は映画の良さ、21世紀はテレビの良さを発見する時代になると予想します。

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