稀代の天才仏師・運慶作 八大童子像
こんにちは。
バケモノスタッフの中で一番童顔のヨシダです。
近年のパワースポットブームで神社仏閣を訪れる人が増え、私の周りにもご朱印集めが趣味という人が結構います。
寺社に行くと、参道の木々や建物、荘厳な雰囲気、おみくじ・ご朱印等、訪れるだけでも十分癒されますが、やはり一番のみどころは仏像です。
日本の仏師といえば、運慶・快慶が最も有名です。
運慶は稀代の天才仏師で、「神の手」と表現されることもあります。2008年、あるオークションで運慶作「大日如来坐像」が日本美術史最高額の1437万7000ドル(約14億4000万円)で落札され話題になりました。
運慶作として現存するものは、わずか31体しかありません。
現在、その運慶作の「八大童子像」が、10年ぶりに8体そろって見られるチャンスが来ています。
せっかくなので、稀代の天才仏師運慶と八大童子について調べてみました。
運慶作「八大童子像」が見られるのはココ!
http://koyasan2014.jp/index.html
場所:あべのハルカス美術館
期間:2015年1月23日~3月8日
運慶って誰?
運慶は平安時代末期から鎌倉時代にかけて、奈良を拠点に活躍した仏師です。代表的な作品は、快慶らと作った「東大寺南大門金剛力士像」。運慶作として現存するものは、わずか31体しかなく、中でも「八大童子像」は運慶が40代の円熟期に作られた群像で、貴重な作品とされています。
平安時代は「定朝様」と呼ばれる貴族好みの優美な作品が主流でした。それに対し運慶は力強い男性的な表現で新しい潮流を起こしました。
八大童子とは?
仏教界には、下のようなヒエラルキーがあります。
八大童子は、不道明王の眷属(けんぞく)で天部に属します。比較的位が高くないため、人間に近い存在として、自然なポーズと子供らしい柔らかな表情で表現されています。
運慶の八大童子像は、高野山にいた稚児がモデルになっているとも言われており、仏像としてのみならず、子供の彫刻としても歴史に残る作品です。
見どころ
一番の見どころは、仏像の目です。
鎌倉時代には、仏像に玉眼を使う手法が増えてきます。玉眼とは、目の部分に水晶を入れ、本当の目のように輝きを表現します。運慶は、玉眼を効果的に使うことで、仏像としての目の力強さと、人間らしい表情を絶妙に表現しています。
ちなみに、運慶の孫の康円も八大童子像を作っていますが、こちらはとても表情がかわいらしく、いかにも子供の像という感じで魅力的です。
康円の八大童子像と比較しながら見てみるのも面白そうです。
http://www.setagayakannon.com/index.cgi?mn=zou&id=fudou
最後に
運慶作の八大童子像が見られるのは、あべのハルカス美術館で開催中の「高野山の名宝」です。(期間:2015年1月23日〜3月8日)
http://koyasan2014.jp/index.html
八大童子像ほか国宝14点を含む、高野山ゆかりの宝物が約60点展示されます。運慶作だけでなく、快慶作の四天王立像など、仏閣めぐりが趣味の方にとっては見どころ満載です。
仏像に興味がなくても、単純に八大童子の奇抜な髪形やファッションに注目すると、いろいろな楽しみ方ができますよ。