バケモノスタッフブログ

エリック
2015年05月29日
カルチャー

グローバル化時代、愛国心を捨てるとどうなる?

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photo by Steve Snodgrass on Flickr

こんにちは。米国人ライターのエリックです!
私は幼い頃からずっと「愛国心」というものに違和感を覚えてきました。

私はアメリカで育ったのに、アメリカ人としてあまり自覚がありません。 なぜアメリカでは、大勢の人が軍隊を尊敬し、他の国を敵にして、戦おうという姿勢をとっているのか理解できませんでした。
実は海外に行こうと思った理由の中で、それは大きい影響がありました。親戚の中でも、軍隊に入っていた人が何人もいますが、その人たちの考え方と行動を小声で反対しています。

国籍は恣意的なもの

反対した理由はもちろんいくつかありますが、簡単にいうと国籍は恣意的なものなんです。私はアメリカに生まれることを決められず、日本人も日本に生まれるのを決められなかったでしょう。
でも、その地域に生まれて、その国の教育を受けて、その国の価値観によって育てられました。

それぞれの国の価値観によって歪められた意識

アメリカで子供のころから教えられる価値観を、いくつか紹介します。

まずは、アメリカの軍隊について、アメリカは正義的に動いていたと信じるように教えられました。
例えば、高校3年の時アメリカ史の先生が『アメリカが世界一』という価値観に基づいて講演をしました。「アメリカが日本に原子爆弾を落とした理由はいくつかありますよ! 分析すれば、すごく論理的な判断ですね!」とか言われたのを覚えています。
あとは、いわゆる「自由」がアメリカにはいっぱいあるから、私たちは他の国より最高という話をたくさん聞かされました。

結局、そういうふうに育てられたアメリカ人の大半は海外に興味がなく、行くチャンスもないし、一生その馬鹿らしい思想を持ってしまう人が多いと思います。

現在、日本に住んでいる者として、たまに似た傾向を見てしまいます。
日本の小学生(私は小学校で働いた経験あり)は中国人に対して、差別的な言葉を言ってしまいますし、他の国の文化を批判します。
日本でもアメリカでも、どこに行っても愛国心的な考え方はあります。

古い価値観を捨てれば、広い世界が見える

愛国心というものは、良いものか悪いものか、私は判断したくありません。
しかし、愛国心が悪いものと言えなくても、愛国心が消えていても、皆が周りと安定して進むことができるんじゃないでしょうか。
仮説の結論ですが、もしかすると愛国心というものは、20世紀の古ぼけたツールかもしれません。時代が加速度的に変わっていて、そのツールが不要になるかもしれません。

アイデンティティという話なんです。人によって、自分のアイデンティティが様々な根源から生まれてきます。もちろん、国民意識、趣味、友達、恋人などに影響を与えています。

加えて、たった15年間しか流行っていないテクノロジーが急にこの風景に含まれるようになってきました。インターネットですね。

例えば、私は音楽をしています。世界中の人と音楽コミュニティーを発展させています。アメリカ、日本、ドイツ、中国、オーストラリア、オランダ、イギリス、カナダやシンガポールにも、音楽関係の友達がいます。今年は日本国内の音楽家よりもオランダ在住の音楽家と一緒にコラボレーションしているし、毎日2、3回ほど交流しています。彼はオランダ人、私はアメリカ人といった意識をせず、ただ仲のいい音楽友達です。
ファッション、アート、ソフト開発、様々な分野でグローバル化が進んで、国境が不要になりつつあると思います。その現象はこれから加速するでしょう。

50年間後、20世紀に育てられた両親の人生経験を熟考すると、その世紀の考えの狭さが明らかになります。20世紀は国境で価値観が分かたれた時代の終焉として分析されるでしょう。

自分の意識が各国の価値観によって創造されていた世界がだんだん消えていくと、私たちの世界が広くなるでしょう。そういう世界になるのを楽しみにしています。

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