バケモノスタッフブログ

寺野菜由実
2018年08月02日
カルチャー 食べ物

【後編】全スパイスカレーファンに捧ぐ!人気店『北摂スパイス研究所』のスパイスカレーとスパイスの魅力!

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前回は夜のバルメニューについて取材をさせていただいた『北摂スパイス研究所』さん。今回は昼のスパイスカレーについて取材させて頂きました。

→【前編】ここでしか味わえない創作スパイス料理を食べに来た! 箕面へ来たら必ず訪れたい『北摂スパイス研究所』

まずは実食!ランチ限定、こだわりのスパイスカレー

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スパイスカレーといえば、
数種類のカレーと惣菜を混ぜながら楽しめるのが特徴です。

カレーと惣菜、カレーとカレー、あらゆる具材を自分で組み合わせてながら味の変化を楽しむことができます。
今回頼んだカレーは3種類のあいがけ全部のせ。

・北摂産の野菜カレー
・朝挽きスパイスのキーマカレー
・今月のカレー(豚バラとほうれん草のシソ梅酢カレー)

それに加え、数々の惣菜をのせることが出来ます。(全部乗せ+500円。ピクルス・アチャール・カチュンバルは最初からついています。)

どっしりとしたキーマカレーと、野菜の旨味が出たマイルドな野菜カレー、そして少し塩みの効いた今月のカレー。それぞれ単体で美味しいのは勿論のこと、カレー同士や総菜を混ぜ合わせても全部美味しいんです…。

それぞれ味も素材も違うのに、どれを混ぜ合わせても美味しいのはなぜなんでしょうか。本当に不思議です。

スパイスカレー好きとしては溢れる好奇心を抑えきれず、カレーを作る宮本章太郎さんと、お店でカレーを提供している奥さまの翔子さんにとても面白い話をたくさん聞かせて頂きました!

衝撃をうけたごちゃまぜスタイルのカレー


★カレーをルーツは?

「ラクシュミってカレー屋さんなんですけど、ごちゃまぜスタイルなんですよね。めっちゃ辛いキーマカレーと優しい味の野菜の二種やったんですけど、それを混ぜたときに凄く美味しくて衝撃を受けて、俺らもカレーを作るときは混ぜてうまいカレーを作ろうって」

凄くわかります!私もカレーにハマった混ぜて食べたときの衝撃でした。

「あれ、衝撃ですよね。おうちのカレーばっかりやったから、初めて食った時に「なにこれ」って。ハマってしまって抜けられないようになっていくんですよね。」

調べていくうちにその”ごちゃまぜスタイル”のカレーがスリランカやネパール、インドと知ったという宮本さん。そういった地方では気温や湿度が高く食欲が減退しやすいため、辛くて塩味のきいたものを食べるそうです。

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バランスを考えながら盛り付けられる惣菜の数々。色鮮やかで見た目にも楽しい。

カレーは音楽に似ている


★スパイスへのこだわり

「スパイスはいろいろ特徴があって、バランスなんですよね。ぼくら音楽をやってて色んなところに演奏しに行くんですが、カレー屋さんってミュージシャンが多いんです。やっぱり似通っている部分があるみたいで、例えばスパイスも高音・中音・低音とバランスの担当みたいなのがあります。」

スパイス
店内に並ぶスパイスの数々。1種類のカレーにつき16-19種類ほどのスパイスを使っているそうです。

季節によっても結構変わるんですよ。冬場はクローブを使うと味がどっしりして美味しくなったり、春先になって気温が上がると重たくなるので減らしたりする。暑くなってきたらコリアンダーを多くして爽やかな酸味を出したり。」

「クミンはちょっとオイリーなんですよね。最初ラクシュミでも印象的やったスパイス。このクミン、カルダモン、コリアンダー、クローブは超定番ですね。」

スパイスによって火加減と順番を全部変えるこだわり


★カレーを作る手順

「最初はテンパリングっていって、火の通りにくいものから順にホールスパイスを油に入れて、香りを移していきます。その後に玉ねぎを入れて、具を入れます。キーマの場合はホールスパイスを砕いたものを入れて香りをつけて、もう一回煮込むっていう作り方なんですよ。」

なるほど、油で香りを出して、さらに挽いたスパイスを入れるということですね。

「そうですね。野菜カレーではしないんですけど、キーマはそれをすると凄くパンチが出ます。和風だしでのカレーを作るときはパンチが強くなりすぎるとだしの味が飛ぶので、最初のテンパリングだけでコントロールします。」

「うちはスパイスによって順番と火加減を全部変えてるんですよ。スパイスによって全部火の通り方が違うので。焦げる直前のもう少し前ぐらいで一番リッチな時があって、その時に具材を入れます。」

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どうやってその火加減などは編み出したんですか?

章「結構何回も作って何回も失敗して、よそのカレー食べて「これどうなってるんかな?」と研究したり。思いつきやったり偶然が結構導いてくれることもある。失敗して「にが!」とか「なんやねんこいつ!」とか(笑)。発想的には家の冷蔵庫にある余りものカレーみたいな感じでつくるんです。

旬の物とか、使いたいものとか。スパイスの包容力が結構あるので、何しても上手いことやってくれるというか、思いついたことなんでもできるなぁという感じですね。」

カレー作りには性格が出る


★バンド活動とカレー

バンド活動も一緒に行っている宮本さん夫妻。日本国内のみならず、海外にも遠征に行くというアクティブぶりです。最近では音楽とカレー、どちらの方面からも繋がりが増えているそうです。

「最近確固たるものが強くなってきた感じがしますね。カレー界隈と音楽界隈がまざったというか。ミュージシャンの堕天使カッキーさんとか、音楽を通じて知り合ったまるせのシンゴさんも、なんやかんやで繋がってるんですよね。」

ほかの店舗によく食べに行くんですか?

章・翔「そうですね。

「やっぱり凄い好きやから、休みの日でも食べたくなっちゃうんですよね。」

章「ギターとかも一緒やけど、その人の個性が出るんですよね。」

翔「見かけによらず優しいカレー作ったりすると『このひと優しい人なんや!』とかカレーで判断する(笑)」

カレーの味に性格が出すんですね!

彰・翔「出ます出ます!」

へー!次からカレーを食べる時、「どんな性格なのかな?」って考えてしまいそうです!

★最後に、スパイスカレー魅力とは?

奥が深いんやと思います。音楽もそうやけど、「これは一生遊べるもん手を出してしまったな」っていう、それが面白いんですよね。感覚で向き合えるというのがすごい面白くて、和食とか料理の下積みが無くても、音楽的な感覚とか直観とかで、向き合っていける。奥が深いからずっと遊べる。それがほんまに面白いところやと思います。」

聞けば聞くほど奥が深く、面白いスパイスカレー。今まで食べる専門だった私も、今回の作り方の話を聞いて、実は自宅でカレーを作り始めました!

スパイスカレーはどのお店も個性があり十人十色。だからこそ一度ハマるとやめられない中毒性があります。スパイスカレーが好きで食べ歩いている方も、あまり知らないという方にも食べてみてほしい『北摂スパイス研究所』のスパイスカレー。

箕面を訪れた際は是非、この面白さを味わってみてください。

北摂スパイス研究所

住所〒562-0001 大阪府箕面市箕面2-1-34
 
阪急箕面駅 徒歩2分
TEL072-735-7799
営業時間ランチ/11:30~15:00(L.O.14:30)
ディナー/18:00~23:00(L.O.22:30)
テイクアウトランチのみ有
席数18席(カウンター有)
定休日ランチ:木曜日(不定休あり)、ディナーなし
開業年2013年(7月7日)

 

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